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From ground to sky Oh,tomato!
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 信号は、美沙子の目の前で赤に変わった。動き続けたいと逸る足を宥め、標識の隣に立ち止まる。私だって歩きたいんだからさ。淡く光る車のライトにじろじろと観察されている気がした。
 常に走る車と待つ車で溢れ返る交差点は、南北、東西それぞれに延々と伸びる道路が重なっていて、終わりは見えない。その左右に、建物は白線以上に領域を確立させるよう並んでいる。ここから見える空は、いつも細長く、更に黒い電線で刻まれていた。
「ヤッチーさ、たぶん明宏のこと好きだと思うんだよね」
 美絵は、髪の毛をくるくると指に巻きつけながら言った。少し癖のある焦げ茶色の髪が、白い指に絡めとられている。
「どうして?」
「今日のお昼さ、ヤッチー、明宏に卵焼きあげてたじゃん。卵焼きがないと生きていけないヤッチーがだよ? 明宏は弁当足りない、って叫んだだけなのにさ」
 そういえば、そうだったね。小さな声で、大げさに頷いた。美絵はちょっとだけ満足した顔をしてから、堰を切ったように、次から次へと二人の話を繰り出した。下駄箱でこんな挨拶をしていたとか、休み時間に宿題を見せ合っていたとか、昨日は一緒に教室に入って来たとか。全部、私も一緒に見ていたものだった。
 信号を渡ったあと、二つ目の小さな交差点で、美絵と別れることになる。いつもは意識もしないそのことが、ふと美沙子の頭に浮かんだ。
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